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エイズ・HIVウイルスの起源

起源

人の体内に感染し免疫細胞を破壊しつづけるHIVウイルス。HIVウイルスはいつからどのように発生したのでしょうか?

HIVウイルスの始まり(起源)は1981年6月でアフリカのチンパンジーから感染したと言われています。

元々サルの間で流行していた”サル免疫不全ウイルス(SIV:Simian Immuno-deficiency Virus)”がチンパンジーに感染し、チンパンジーを介して人に感染しました。

チンパンジーから人に感染すると言っても、性行為をしたわけではありません。SIVウイルスやHIVウイルスは血液や唾液からでも感染します。

チンパンジーを狩ったり、チンパンジーの肉を食べたりしたことが感染源ではないかとされています。

そして人の体内に入り込んだSIVウイルスは、人から人へ感染するHIVウイルスへと突然変異し、爆発的に感染を広げていきます。

人から人への感染ルートは主に、性行為(売春)や注射の回し打ちになります。

この時代のアフリカは生活が苦しく、売春が生きていく上での手段として横行していました。こうした社会背景が売春婦を生み、売春婦を介してHIVウイルスが感染へ広げていったのです。

また売春だけでなく、医療も発達していなかっため注射器の使い回しによる血液感染による感染拡大も広げた原因とされいます。

2つの型

HIVウイルスには2つの型(HIV-1型とHIV-2型)があります。

それぞれの型の起源は、チンパンジーから感染したのがHIV-1型、スーティーマンガベイというアフリカのサルから感染したものがHIV-2型と言われています。

チンパンジーから感染し突然変異したHIVウイルスですが、人から人へだけでなく、人からチンパンジーにも感染します。

しかし、HIVウイルスに感染したチンパンジーは人とは違い何故かエイズの症状を発症しません。このことがエイズ発症を防ぐためのキーワードになるかもしれません。(調査・研究中)

またこれら2つのウイルスは構造が異なり、HIV-1型の方が病原性も伝染力も強いため世界的に蔓延しているのはHIV-1型がほとんどとなります。

■ HIVの型については、こちらにまとめています。
→ HIVのタイプと構造

日本国内で確認されるHIVウイルスもこのHIV-1型です。

HIV-2型は現在でもほぼアフリカを中心に広がっていますので、日本ではHIV-1型の検査さえしていればほぼ99%大丈夫とされます。

その他の有力な説

HIVウイルスはチンパンジーから感染したというのが現在最も有力な説ですが、他にも様々な説があります。

その他の有力な説としてはポリオワクチンの接種試験です。ポリオワクチンにチンパンジーのSIVが入り込んでしまい、これを接種したために、人の体内でSIVがHIVへ突然変異したというものです。

最初に記載した通り、HIVウイルスの起源はサルの間でのみ感染するSIVウイルスです。サルの細胞から作るポリオワクチンさえ接種しなければ”人とサルの種の壁”を超えて感染はしないはずだという考えです。

この説もかなり有力で、現在はこの2つの説で二分されています。


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