増加している長期合併症
抗HIV療法による治療は画期的で非常に効果があります。しかし、治療が長期化する中で新たな問題が浮き出てきています。
その問題とは、抗HIV療法により日和見感染症の発症は抑えられるようになったものの、その一方で心血管疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、神経認知障害、骨関連疾患、悪性腫瘍などの長期合併症が増えてきているということです。
【 長期合併症 】
- 心血管疾患
- 腎臓疾患
- 肝臓疾患
- 神経認知障害
- 骨関連疾患
- 悪性腫瘍
HIV(エイズ)に感染すると、通常の人よりもこれらの疾患を引き起こす確率が上がります。
抗HIV療法により、HIV感染者の寿命が長くなりつつありますので、これらの疾患を誘発しないように一層気をつける必要があるでしょう。
長期合併症とHIV治療
これまで抗HIV薬には様々な副作用があると言われていましたが、それは間違いであり、少しでも早く抗HIV療法を開始したほうが有効であるということが分かってきました。
特にHIV(エイズ)に感染すると免疫が低下していきますので長期合併症疾患を発症しやすくなります。従って、長期合併症を防ぐためにも早期の抗HIV治療が必要となるのです。
心血管疾患
一般的に心血管疾患とは、心筋梗塞や狭心症など心臓周辺の疾患を指し、HIV(エイズ)に感染するとこれらを発症するリスクが高くなるのです。
HIV(エイズ)感染による免疫力の低下と、脂質異常症や糖尿病、高血圧、喫煙も起因していると考えられます。
また、これらは動脈硬化の予防にも通じるところがあります。
腎臓疾患
腎臓の機能低下による末期腎不全に移行する状況が腎臓疾患です。
アメリカでは既にHIV感染者における透析導入症例が増えてきており問題となっています。
腎臓疾患の発生原因はウイルス性からくる肝炎だけでなく、脂質異常症や糖尿病、高血圧、喫煙なども原因となります。
また、抗HIV薬ではテノホビルやアタザナビルによる腎臓への影響が指摘されていますので、腎臓疾患を患っている場合には、薬剤を変更することが大切です。
骨密度低下
HIV(エイズ)に感染すると、骨密度低下を起こしやすいことも知られています。骨密度低下により骨粗しょう症や骨減少症が多くみられ、骨折の危険性が高くなります。
HIV(エイズ)感染が認められたら、過度な運動や禁煙、アルコールをなるべく控えるほうが賢明です。
また、カルシウムやビタミンDの補充も有効で、治療にはビスホスホネートを使うのが一般的となります。
HIV関連神経認知障害
やっかいなことに、HIVウイルスは中枢神経にも感染します。
幸いなことに、進歩した抗HIV療法のおかげで重症化患者数は減少傾向にあるが、軽症~中症の患者が増え続けています。
昔は、HIV感染が原因で起こるこれらの機能障害や認知障害をHIV脳症と呼んでいましたが、現在ではこのような軽症~重症までの病態を総称してHIV関連神経認知障害(HIV Associated Neurocognitive Disorders;HAND)と呼びます。
今後、治療の進歩により一層HIV感染者の高齢化が進み、それに比例してHANDが増えてくることが想定されます。
長期合併症のの中には、生活習慣病である糖尿病や高血圧症などを上手くコントロールすれば未然に防ぐことが出来る疾患もあります。
抗HIV療法と共に、食事や運動、飲酒、禁煙などといった生活習慣を見直し、生活習慣病を予防することも大切です。
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