一般病院の受診とHIV(エイズ)検査
HIV(エイズ)の治療は通院が必要になりますのでなるべくなら近場の病院で診療したいものです。
しかし現在のところ、一般病院で抗HIV療法まで行ってくれるところはなかなかありません。
その理由の1つに、長いHIV診療経験を持った医師にしか適用されない医療費助成制度というものもあったりします。
日本国内では、新規HIV(エイズ)患者のうち3割程はエイズを発症してからの受診です。
日和見感染症の診察・治療として一般病院を受診し、そこでスクリーニング検査や確認検査を行いエイズ(HIV)が発覚するというものです。
このように、エイズ(HIV)の第一発見は一般病院であることが多いのですが、医療費助成制度が利用できないという理由や経験豊富・設備が整った病院のほうが治療に適しているという理由から、専門病院(ブロック拠点病院・中核拠点病院・拠点病院)へ紹介してもらうケースがほとんどとなります。
治療法が進歩してきた現在でも、診断を誤り治療開始が遅れれば後遺症を残してしまったり、最悪は死亡するケースだってあります。
免疫細胞数の低下が原因で初期に表れる代表的な疾患は、ニューモシスチス肺炎と食道カンジダ症です。
特にこれら2つの疾患は、エイズ感染を疑う指標となる日和見感染症ですので、自分で知っておいて損はありません。
■ 日和見感染症について、詳しくはこちらに記載しています。
→ 日和見感染症の発症確率とCD4数
エイズ(HIV)感染を疑う場合は、自分で伝えることも必要
一般病院やクリニックでは、よほどのことがない以上HIV(エイズ)感染を疑いません。
仮に過去にHIV(エイズ)感染を疑う行為があった場合は、感染の可能性を考慮し自分で検査を行うように伝えなければなりません。
HIV(エイズ)は早期発見・早期治療が基本ですので、少しでも疑いがあるならば検査をしてもらうようにしましょう。
何かしらの症状が出てしまってからの検査であれば既にウインドウピリオドは過ぎていますので、すぐに検査が可能です。
まずはスクリーニング検査を行い、その結果が陽性であれば確認検査を行う流れです。
また、郵送で検査ができる”HIV(エイズ)検査キット”もありますが、日和見感染症を疑い診療されている場合は、病院で検査を受けたほうが何かとスムーズです。
HIV(エイズ)検査キットは検査結果の信頼性は特に問題はありませんが、あくまでも自己症状が感じられない場合の確認手段として活用してください。
スクリーニング検査の検査結果が陽性だった場合
スクリーニング検査の検査結果が陽性だった場合、次は確認検査です。確認検査は、一般病院で行うか、専門病院を紹介してもらいそこで行うことになります。
HIV(エイズ)感染を告げられると一瞬目の前が真っ暗になります・・・
今後の生活、自分はいつまで生きられるのか、家族やパートナーのこと、考えがグルグル頭の中を駆け巡り、考えすぎて思考回路がパンクしそうになります・・・
しかし、先にも記載しましたが、現在は治療法が進歩しています。
早期治療さえすれば、エイズ発症をかなり先送りにすることが可能です。
治療を継続している間に、さらに画期的な治療薬が発表される可能性だってあります。
昔とは違い、希望を持って治療を継続していくことができます。
また、それでも心配事が尽きない場合は、専門病院のスタッフやカウンセラーと連携しながら悩みを解消していくとよいでしょう。
精神的に不安定な状態で治療をしても、効果が得られにくいですから。
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