妊娠中の偽陽性と母子感染の予防
母親がHIVウイルスに感染していると、生まれてくる新生児(赤ちゃん)もHIVウイルスに感染します。(母子感染)
その感染率は、何も感染予防をしなければ20%~30%とされ、さらに出産後に母乳を与えてしまえばもっと感染確率は上がります。
しかし、現在は医療が進歩してきましたので、感染予防さえしっかりと行えば、生まれてくる新生児へHIVウイルスを感染させることなく出産することが可能となっています。
妊娠中は偽陽性となることが多い
妊娠中は定期健診で血液検査を実施し、その中の項目として性感染症(HIVやクラミジアなど)の検査があります。
性感染症に関しては抗体検査を実施することから、現在感染しているものだけでなく過去に感染したものまできちんと判断できます。
しかしHIV(エイズ)検査においては妊娠中は誤診断が多く、偽陽性が出やすくなります。
【偽陽性とは】
本当は感染していないのに、誤って陽性反応が出てしまうこと
■ 偽陽性についてはこちらにまとめてあります。
→ スクリーニング検査と確認検査、偽陽性について
妊娠中は精神的にも特にデリケートな時期です。HIV(エイズ)検査結果が”陽性”と出ても慌てず、偽陽性である確率が高いということを知っておき、心を落ち着かせるようにしましょう。
ひょっとしたら…と思うと気が気じゃなくなってしまいます。最終的な検査結果が出るまでは、あまり深く考えないようにしてください。
母子感染の予防
新生児に対するHIV感染(母子感染)は主に以下のような要因によって起こります。
- 妊娠中の子宮内
- 出産時に通る産道
- 出産後に与える母乳
新生児への感染を防ぐためには、これらを全て断たなければなりません。
妊娠中はなるべく”副作用が報告されていない安全な抗HIV薬”を用いHIVウイルス量を抑え、出産時は産道を通らないよう予め予定日を決めた上での帝王切開とします。
もちろん出産後は新生児にも抗HIV薬を投与します。
また母乳は、HIVウイルスが混じった血液が原料となりますので絶対に与えてはいけません。
これらの処置で新生児への感染はほぼ防げますが、出産に際しては、”産婦人科・小児科・HIV診療を行う内科”などすべての診療科が必要となります。これらの体制がしっかり整った総合病院で出産すべきでしょう。
新生児のHIV検査
生後~12・13ヶ月までの新生児は母親からの移行抗体の影響を受けます。
移行抗体の影響があると、HIVに感染していなくてもHIV抗体が存在し必ず陽性となってしまうため、抗体を検査する通常のエイズ(HIV)検査は行えません。
この時期の検査は遺伝子検査(NAT検査)などの直接HIVウイルスの有無を調べる方法しかありません。
■ 遺伝子検査(NAT検査)やスクニーニング検査、迅速検査についてはこちらをご覧ください。 → 遺伝子検査(NAT検査)
また、母親ではなく父親がHIV(エイズ)に感染している場合は、精液からHIVウイルスを取り除き、体外受精させることで新生児への感染を防げます。
この場合は、母子への影響はほとんどありません。
このように母親が感染していても父親が感染していても、子供を作るのを諦める必要はありません。現在はかなり安全に出産が行える時代となってきたのですから。
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