母子感染の検査と子供のHIV治療
母親がHIV(エイズ)に感染していると、生まれてきた子供もHIVウイルスに感染している確率が高くなってしまいます。
医療が進歩した現在では、対策さえしっかり行えば母子感染は防げます。
ですが、たとえ対策を行ったとしても、生まれてきた子供にHIVウイルスが感染していないかを調べなければなりません。
生後12ヶ月~18ヶ月の間は、母親からの抗体の影響を受けます(移行抗体)のでHIVウイルス抗体を調べる一般的なスクリーニング検査方法は使えません。
従って、HIVウイルスの有無を直接調べる検査方法を採用します。
■ 詳しくはこちらの記事にも書いています。
→ 妊娠中の偽陽性と母子感染の予防
しかし、母子感染対策を行っていても感染予防は100%ではありません。感染が確認されてしまった場合は、やむなく抗HIV療法を開始していかなければなりません。
子供に対する抗HIV療法
子供に対する抗HIV療法は成人の治療よりも困難であることが多くなってしまいます。
それは、子供の”身体が未熟である”ことと”成長期である”ということに起因します。
思春期である18歳くらいまでは成長が著しく、薬に対する副作用の反応やニューモシスチス肺炎の発症など油断を許しません。
また幼い子供、特に5歳以下の子供である場合は、免疫細胞(CD4)数の正常値が定まっておらず、免疫細胞(CD4)数のみでHIV(エイズ)の進行を判断することが難しくなります。
この場合、免疫細胞(CD4)数のみでなく、HIVウイルス量や免疫細胞(CD4)の比率など、総合的に経過を判断しながら治療を進めていきます。
子供は成長スピードが早いため、少しでも治療開始が遅れると取り返しのつかない事態へつながってしまいやすくなります。
1歳未満の子供では特にこの徴候が強く、HIVウイルス検査で陽性反応が出たならばすぐに抗HIV療法を開始すべきです。
5歳以上の子供では、成長の遅い子を除き、大抵の場合は免疫細胞(CD4)数の正常値が定まってきますので、成人同様、免疫細胞(CD4)数で治療経過を見ることが可能になってきます。
いずれにせよ、子供のHIV(エイズ)治療は早い時期での抗HIV療法の開始が重要となります。
子供への薬の服用
子供へ錠剤の薬を服用させるのは大変です。
風邪薬ですら、錠剤ではなく粉末を処方するくらいです。
味は仕方がないとして、薬の形状や大きさなども考慮する必要があるでしょう。
また、成人とは違う副作用が起こることも懸念されますが、こればかりはどうしようもありません。
成人であっても副作用には個人差がありますし、子供であれば体重や成長速度など様々な要因が考えられるからです。
医師ともよく相談し、経過を注意深く見守るしかありません。
また、保護者である母親もHIVウイルスキャリアであれば、治療はさらに困難を要することが予想されます。
母親自身の抗HIV療法に加え、子供の抗HIV療法を継続しなければならないのですから。
ただ、悲観することばかりでもありません。
子供がHIVウイルスに感染したとしても、きちんと抗HIV療法を継続していければ、10歳はもちろん、20歳や30歳まで生きることができる時代になってきたのですから。
医師や看護師とのアドヒアランス、カウンセラー、パートナーや家族の協力など、周囲のサポートを総動員し、生まれてきた子供の命を守っていきましょう。
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